[ドラマ]「アンフェア」最終回

ネタバレアリ要注意



先週の最後のシーンから突然1日前に戻ったのにはビックリ。
しかしながらそこで事件の裏側を推理し、真犯人を罠にかけるべく意志の疎通を図る
雪平(篠原涼子)と佐藤(香川照之)。
「最初に現場に現れた奴が真犯人だ。」
そして現場に最初に現れたのは安藤(瑛太)だった。

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安藤の真犯人説は先週想像したとおりだったけど、
犯行をただただ冷徹に重ねていく復讐犯ではなかったことに少しばかり救いを感じた。
もちろんこれは安藤の雪平に対する恋愛感情から来るものでもあるが、
美央ちゃんとの交流の中からも生まれたものでもあると思いたい。
コインロッカーに捨てられていた彼にとって、思いの伝わらない同士だった
母親と娘の姿は肉親同士がこんなに近くにいるのに、という思いもあっただろうし。
そして最後は5年前の事件を自らがトレースし、雪平に射殺される事で雪平自身に
大きな心の穴を空けさせる事になった。
安藤の復讐劇は三上(加藤雅也)の言うとおり目的を達していたのかも知れない。

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彼の部屋には雪平宛と美央宛の手紙が。
美央宛の手紙には一言「ゆうき」と書かれていた。
安藤と2人でいたときに彼女は声を発したのだ。
「ママ、だいすき」とかすかに言葉を発する美央。
勇気を持って気持ちを伝えた彼女も安藤の言葉を胸にこれからも生きていくのだ。

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事件後責任をとる形で更迭された山路管理官(寺島進)は蓮見(濱田マリ)の側に。
「殺して」と死を臨む動くことの出来ない彼女に「生きて償え」と、
そして「俺も一緒にいる」と。
彼の蓮見への愛も本物だったのだろう。
さらに牧村(木村多江)の誘拐事件の荷担のきっかけとなった交通事故もみ消しにかかる
資料を雪平に預け、佐藤による記事の掲載を容認した。彼なりの仁義を通した形となった。
ただただ権威主義で管理官ポストに収まったであろう小久保(阿部サダヲ)とは
違う部分を見せた。

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そして雪平の父の事件が語られるのではと思われた、安藤が残したコインロッカーの
メディアには安藤の雪平への思いが語られていた。
自分は雪平を愛していたと。それを見て涙を流す雪平。

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結局明かされなかった雪平父の死の真相。
安藤からパソコンを送られていた安本(志賀廣太郎)は何かを知っていたのか。
そして安藤の息絶えた現場でキラキラ星を口ずさみながら見上げた先に雪平の見たものは。
・・・という謎を残したまま終わってしまいました。アンフェア。
安藤の動機となった5年前の事件の真相は明らかになりましたが、
ある面、同情の余地のある話で切なさ倍増でした。
嫁さんが言うには殺人を阻止するためとは言え、何でもかんでも射殺しちゃうからだ。
悪いのは雪平だ。と言ってましたが、まー確かにそうなんだけど・・・ねぇ。
まぁあと気になったのは「お金のため、ゲームのため」と劇中語られてはいるものの
何となく弱い気のする蓮見の動機。そして蓮見と山路の大人のお付き合いに関しては
もう少し掘り下げてくれた方が最終回は効果的だったんではないかと。

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なんにせよこのクール一番楽しませていただきました。
出演者、制作スタッフの方々にはご苦労様でしたと言いたいです。
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と、ここで思ったのは安藤が安本に送ったパソコン・・・。
これが安藤が別に立ち上げた復讐サイトへ案内するものであったなら・・・。
安本が安藤の遺志を汲んだとしたら・・・。